ブラジルの日系人数はおよそ150万人。そのうちの約10万人が1世です。彼らは、日本語や日本文化に対して深い郷愁を感じ、“故郷”日本との交流を切に求めています。
今回、ある宣教師を通して、劇団ジーザス・クライストの麻生瑛子さんの一人芝居「マグダラ」が紹介され、ブラジルにおいて日系人向けの日本語による公演が実現することになりました。
「マグダラ」を観劇して 俳優 金田龍之介
私の知人麻生瑛子が、聖書の「マグダラのマリア」の物語りから発想を得て、素晴らしい脚本を造り上げた。私が今まで聖書を通読したのは「マルコの福音書」であったが、他にも聖書の中で特に、「だれか罪のない人がこの女性を打ちなさい」とキリストが娼婦マリアを助けるために、群衆に向かって言うところで心を打たれた。(今一つは、ペテロが三度キリストを知らぬと言う処だったが)そのこと以後のマリアのキリストヘの感謝と帰依、そして不動の信仰を得た姿をこの劇ではキリストヘの愛と憧憬をもって語られ、磔刑にあった十字架上のキリストの苦痛を身を持って体現するという激しい演技を繰り返し観客の脳裏に叩き込んで、肉体の極限に挑戦する様な激しい演技でマリアを麻生瑛子は演じた。私が連れていった寿司屋の親父も感動して他人に観劇を勧める決心をした。普通の特に信仰心もない町中の人をも揺さぶるほどの名作となったのだ。もしマリアを演じたいと志した女優さんがいたとしたら、まず筋力トレーニングから始めねばなるまい。麻生瑛子は、普段は心優しい物静かな女性で三児の母であるが、マリアを一たび演じるやその情熱的で、キリストヘの愛を全世界のキリスト者にかわって讃仰する真摯な姿を目にすることだろう。自分も「ようしやってやろう」という不思議な力が湧いてくる。そして亦今一度聖書を読み直してして「マグダラのマリア」をたずねてみたくなるだろう。勇気を持ってキリストと周辺の人達を知りたくなるだろう。その時こそ、彼女の努力は報われるのだ。ちなみに彼女の舞台を、音響でまたスポットライトで追っている人は、彼女の夫君である。
「マグダラのマリアは見ていた」(麻生瑛子著)を読んで
ハーベストタイム・ミニストリーズ代表 中川健一
麻生瑛子さんから「マグダラのマリアは見ていた」のゲラ刷りが送られてきた。プロローグを読んだだけで、仰天した。たとえて言えば、高級フランス料理の最初の一口を味わったような気がしたからだ。これは、プロの味付け、なんという美味。
それからどれくらいの時間が経ったのだろうか、気がついたら−気に読み終えていた。プロの料理にありついたという最初の予感は、最後まで裏切られることはなかった。これは戯曲と言うのだろうが、詩のようでもあり、今まで出会ったことのない新しい文学形式のような感じさえした。